生理痛に効果的な漢方薬
生理痛の治療は、現代医学では鎮痛剤を用いた治療ですが、生理中は痛みだけでなく、イライラしたり、腹部の膨満感や吐き気を感じたりすることもあるので、鎮痛剤では対応できないこともあります。
漢方では、生理痛を起こしている原因を直接治療します。身体には、「気」と「血」というエネルギーとなる栄養物質が流れ出ています。生理に関しても、このような物質が子宮に流れ込むことによって、問題なく機能します。しかし、何らかの原因で栄養が行き渡らなくなると、生理血がうまく排出されなくなってしまい、さまざまな生理に伴うトラブルが引き起こされるのです。
栄養が子宮に行き渡らなくなる原因は、血液循環が良くないことと、栄養不足が挙げられます。生理前に刺すような痛みがある人は、血液循環に問題があることが考えられます。血液の流れが停滞してしまう要因は、体の冷えとストレスです。それらの要因によって、血管の収縮が起こり、血液や栄養物質の循環に影響します。そして、栄養が子宮まで届かなくなり、生理痛が引き起こされるのです。また、栄養が行き渡らないので、顔色が悪かったり、体にアザができやすかったり、のぼせやすかったりする症状も出ることがあります。
この場合、おすすめの治療薬は、「桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）」や「冠脉通塞丸（かんみゃくつうそくがん）」です。この漢方薬は、停滞した血流を改善させる作用があり、生理痛にとても効果的です。また、月経前症候群にも効果があり、肌の調子も整えます。
生理の後半に生理痛が起こる人は、栄養不足が関係していると言われています。栄養物質が子宮へ供給されていないので、身体がもともと弱い人や体力が衰弱している人、冷え症の人などに起こりやすいです。このような症状には、「当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）」がおすすめです。この薬は、栄養を補って、生理痛や冷え性、貧血を改善させます。